司法書士・独立開業の厳しい現実!仕事がない初期に取り組むことは?

司法書士の資格を取得しても、独立開業してすぐに仕事が舞い込むとは限りません。むしろ「資格を持っているだけでは仕事は来ない」という厳しい現実に直面する人も多いのが実情です。

開業直後は専門知識やスキルよりも、「信用力」や「人脈」「営業力」が問われる場面が多く、想定以上に苦戦することも。

本記事では、開業初期にありがちな壁や、乗り越えるために取り組むべきポイントを解説します。「仕事がない…」という状態を抜け出し、安定した事務所運営に向けたヒントをお伝えします。

 

開業当初は専門性よりも信用力が問われる

自分で法書士事務所を開業しようと思った時、大事なのは専門的な知識があることだと思っていませんか?

まず、開業当初は専門性よりも信用力が問われるんです。

司法書士経験がどれだけ長くて、たくさんの知識があったとしても、開業直後に問われるのはどれだけその人が信用できるか?という点になります。

新規開拓で営業先に行くと、登記が正確かというよりは、この人にまかせて大丈夫か?というところをすごく見られているような気がします。

逆に考えると、司法書士歴が浅くても、身だしなみや話し方次第で信用してもらい営業先からお客さんをもらえることもあります。

関連士業が集まる場所でも、いろいろな所に顔を出したり、レスポンスが早かったりといった雰囲気もすごく重視されるので、開業当初は気を付けるポイントとなっています。

信用を得るために準備できるものは、名刺で印象を残す、SNSで自分を発信して覚えてもらう、ということがあり、そこで信用性がとても高まる傾向にあります。

仕事はあっても現金化は甘くない

司法書士を開業したばかりの方は仕事が無いという方もいらっしゃるのですが、仕事はあっても現金化するのに時間がかかるというのが開業当初にあるパターンです。相続登記をお願いしますという依頼がきても、実際話を聞いてみたら三分割協議をするのにすごく時間がかかってしまい、結局入金するのが1年後になってしまったこともあります。

対法人の場合でも「月末締め・翌月払い」というところもよくあるので、そういった時には現金化するのは遅くなってしまいます。

「家族信託」や「商業登記」などでも、大きい金額の時は着手金をもらって手続きが終わった後に残金をいただくこともありますが、金額がそこまで大きくない時は着手金までもらうというケースは少ないです。

できれば、開業当初はできるだけ「紹介」、弁護士さんや税理士さんの関連業務の紹介を受けるといいです。先に話がまとまっていてあとは手続きだけというケースが多いので、現金化も早くなります。

書類チェックよりもトラブル想定が重要

司法書士の仕事は、書類がそろっていれば手続き完了というわけではないです。事前に今後起きそうなトラブルを見つけて先回りするのがプロの仕事です。

よくあるのが、依頼者から委任状はもらったけど関係者からクレームが来たり。登記簿を見たら、元々間違いがあって、先にその間違いを改善しないと本来の依頼内容に移れないといったことも出てきます。これについては、想定外のことがあった場合どうするか?ということを勉強しておくことが重要です。

手っ取り早い方法としては、1年でもいいので司法書士事務所に勤めて、どういったトラブルケースがあって、どういうことを他の司法書士の人は想定しているのか?ということを、身をもって感じるのが非常に重要です。

依頼が来た時に、書類のことだけ考えずに案件全体がどうなっているのかを見て、想定されるトラブルがどういうことがあるのかということを頭で考えられるとお客様に信頼されますし、自分が業務をやっていく上でとても楽になります。

補助者を雇うにも覚悟が必要

補助者を入れれば楽になると思いがちですが、実際にはお金もかかるし管理も大変です。

人手不足で補助者を入れたいという方も多いかと思うのですが、なかなか定着しづらかったり、給料の支払いとか、その方が事務所に来るのでいろいろ備品を集めたりということも必要です。

もしも最初に小さい事務所でやっていく場合、できるところに関しては外注するというのも一つの手です。

ホントに補助者の方に来て欲しいというのであれば、家族や知り合いなどに短期からお願いするという方法を取っているところも見られます。

選ばれる理由を作らないと価格競争に巻き込まれる

都心で開業していると特にあるのですが、今は司法書士を登録しているだけでは、待っていればお客さんが来る時代ではありません。なぜあなたに依頼するのかというところを明確に打ち出さないと、価格だけで選ばれてしまって価格競争に巻き込まれてしまいます。

これについては、開業前にどういった方をターゲットにしたいのか?どのようにマーケティングをすればいいのか?という綿密な戦略作りが非常に重要です。

例えば高齢者特化の相続専門の司法書士だったり、女性の場合なら女性司法書士が優しく丁寧にサポートしますということをアピールする。あとはSNSやYouTubeで自分を自ら発信していくこと。紹介がないと開業当初は生き残るのが非常に難しいです。

まとめ

司法書士として独立しても、すぐに成功するとは限りません。特に開業当初は、専門知識よりも「信頼される人間であるか」が重視され、仕事の依頼があってもすぐに現金化できないケースも多々あります。書類作成だけでなくトラブル回避の視点も求められ、補助者を雇う際にも責任と覚悟が必要です。

価格競争に巻き込まれないためには、「この人に頼みたい」と思われる理由づくりも欠かせません。厳しい現実を理解したうえで、地道に信頼を積み重ねることが、開業成功への第一歩です。

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